mushcoの個性につながるスタッフの思いや振り返り、今後の展望などを対談形式で深掘りしていく企画の第2弾。今回は、代表の日野と共にmushcoの立ち上げから携わるデザイナーのIzumiに話を聞いた。
ウェブサイトのデザインを初め、mushcoのデザインやブランディングを担当するIzumi。キノコの新しい可能性「マッシュルームスキン(マッシュルームレザー)」をデザインする上での彼女のこだわりとは?
ぜひご一読ください。
#目次
1. デザイナーとしてのキャリアとmushcoへの関わり
2. mushcoのデザイン哲学とブランド作り
3. mushcoでの挑戦と学び
4. 今後の目標と夢
1. デザイナーとしてのキャリアとmushcoへの関わり
——まずは今までのデザインとの関わりを教えてください。
Izumi : 学生時代は環境デザインを学び、建築、ランドスケープ、インテリアを勉強しました。
新卒からインテリアの内装デザイン会社で働き、オフィスの内装デザインをメインに携わりました。
——アパレルのデザイン経験はなかったようですが、どうしてmushcoに関わるようになったんですか?
Izumi : 最初は『始動*』のプログラムに参加していた代表の日野から、マッシュルームスキン(当時はマッシュルームレザー)について教えてもらい初めて素材について知りました。
そこから話を聞いていくうちに、自分の知らなかった未知の素材と身近なキノコという生き物に多くの可能性があることに気がつき興味を持ちました。日野から、始動のプログラムのピッチに向けて色々相談してくれる中で「一緒にやろうよ」と背中を押され、最初はウェブサイトのデザインから関わるようになりました。
*経産省・JETRO主催の起業家シリコンバレー派遣プログラム「始動 Next Innovator」プログラム、通称『始動』。このプログラムは「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」の一環として、次世代のイノベーションの担い手を育成することを目的としています。
2. mushcoのデザイン哲学とブランド作り
——mushcoのデザインに関わる上で、最初に取り組んだことは何でしたか?
Izumi : 最初はホームページのデザインでした。私は当時ウェブデザインは初めてで、ソフトの使い方から教わりながら進めていきました。そのうちにプロダクトデザインにも関わるようになり、徐々に担当させてもらえる範囲が広がってきています。
——最初にWEBサイトのトップビューでマッシュルームスキンの柄を採用した時は本当に驚きました。素材をアップにした時のイラストをトップビューに採用するの、本当にすごいセンスだなって。サイトを見てくれたいろんな人にも素敵だねって言ってもらえてます。
Izumi : そうだったんだ。それは嬉しい!
実は最初CanvaとかSTUDIOとかを使うのも初めてだったんだけどね..笑
わからないことがあるたびに使い方を聞きながら作業を進めて、時間はかかっていますが、サイトも充実してきたように感じます。それぞれのソフトも今では扱いにかなり慣れました。
mushco創業当時のトップビューの写真。マッシュルームスキンをアップにしたデザインを採用。
——mushcoのデザインで心がけていることはありますか?
Izumi : mushcoのデザインは、性別や年齢に関係なく誰にとっても心地よいものであることを目指してます。mushcoの想いである「サステナビリティとウェルビーイングを両輪で実現する」を意識しながら、個性を持たせつつも、幅広い層に受け入れられるデザインを心掛けています。
3. mushcoでの挑戦と学び
——mushcoに関わるうえでのモチベーションや学びについて教えてください。
Izumi : 今は自分が関わることで少しでもmushcoが前に進んだら良いなって思いながら関わってます。
もともとデザインが出来る人だったり何かを生み出せる人に憧れがありました。前職でもデザインの世界に関わっていたのですが、mushcoでは自分のやったことがない領域のデザインができるということ、マッシュルームスキンという新しい素材で新しいものを生み出していくところに関われるからそこに興味があります。そしてやってく中で知識や経験として得られるものがあったり、改めて自分の感性を確認出来ている部分があっていいなと感じます。mushcoがブランドとして成長しながら色々なことにチャレンジしていくことと同時に今までにない価値観を作っていく様子をそばで見ることができているのが面白いと思っています。
——mushcoが始まって半年ぐらいになるけど、何か見えてきたものとか感じるものとかはあったりしますか?
Izumi : 実はmushcoで初めてブランディング作りに関わらせてもらっています。今までも働いていた内装デザインの会社でブランディングの大切さというものは意識してきたつもりだったけど、こういった0→1のブランドのブランディングをやるのは初めてでした。
今までの働いた会社ではもちろん会社の色があってブランディングが出来てるところに入ってそれを守る・崩さないでむしろかっこよくアップデートを続けるっていう形でやってきたけど、今回は自分が最初のウェブサイトのデザインをするところからで..笑。正直不安になったり、軸がぶれてないか心配になったり、加減がまだわかってないところもあります。
——そっか。0→1のタイミングってまだブランディングって固まらないですもんね。
Izumi : まだ軸が決まりきってないブランドのデザインをしていくってのは本当に難しいと感じました。どんな人たち向けに打ち出していくのかも探りながらだから、柔軟にやりつつだけど。
一旦は出してみて、周りや世の中からの反応をみてトライアンドエラーの繰り返し。ブランドの思想や軸はあるけど、シーンごとにどう打ち出していくかもまだ変わって行きそうでもある。そういった先を見据えて細かい部分も含めてまだ悩む部分はたくさんあると思っています。
——色々やってる中でそれでもこの軸は変わらないなってのは何かありましたか?
Izumi : 今は女性ウケを狙うなどの特定したターゲットに向けて、というよりは幅広い層に愛されるデザインで進めていきたいなって。mushcoの想いである『サステナビリティとウェルビーイングを両輪で実現する』っていうのは誰かに絞るものではないし。いろんな人の個性を後押し出来るようにジェンダーレスに、そして年齢がどんな人でも手に取ってもらいやすいようなのを意識してるかな。
今後はもう少しプロダクト面でも個性が出せるようにとかは悩んだりするけど..笑これがmushcoらしいねっていうのを見つけたいけどまだ見つかりきってはないかな。
もしかしたらそれは職人さんと作り上げていくものかもしれないけど。
——そこもやりながらですよね。いきなり全部進められるものでもないですし。
Izumi : 本当にそうだと思う。これまでになかった素材ということで素材の扱いも慣れている人がいないし、普通のレザーとして物を作ろうとしてもなかなかうまくいかないことが多い。それでも、ものづくりの際は品質には妥協しないようにはこだわってると思います。
——自分たちが中途半端だと思ってるものでは出せないですよね。結構製作チームに言ってるほうだと思います。
Izumi : まぁブランドはそういうものですよね。職人さんには難しい要求をしているなと感じながらも譲れないところは結構出てきたりする..笑
そうやってこだわって作ったものだから自分たちも自信を持って出していける。そこは妥協しないようにしていきたい。
4. 今後の目標と夢
——今後の目標や夢について教えてください。
Izumi : 今は自由な発想を大事にしながらもしっかりブランドが確立できるようなところを目指していきたい。これからたくさんの人に知って認めてもらえるようになるのを目指したいしそれが楽しみだなと思います。
——改めてなんでマッシュルームスキンに関わっているのでしょうか。今はどんな気持ちですか?
Izumi : 本当に最初は面白そうだなって。それで関わり始めちゃったから..笑。新しい素材だから課題も多いけどその分誰もやっていない領域なので自分達が始めたらなんでも出来る可能性があるなってところにワクワクしています。なんでもするためにはお金も必要ですが...笑
——今後チャレンジしたい観点とかはあったりしますか?
Izumi : それで言うと、当初から思ってることだけど家具とかインテリア領域でマッシュルームスキンを使った空間を作ってみたいです。結構面白いものが出来ると思う。インテリアデザインもやっていきたいしそこはmushcoが大事にしたい家具みたいに長く愛してもらえるものを作っていく、という観点ではインテリアも合ってると思います。最近は部屋のおしゃれにも気を配る人が増えてきてると感じているので、そういった中で選択肢の一つとして考えてもらえるようになっていきたいなと思います。感度の高い人や、新しいもの好きの人にまずは見つけてもらえると嬉しいです。
——アート性のある素材を使ってインテリアを通して人々の豊かさにも繋がったらいいですね
Izumi : そう、パッと思い浮かぶ物だとダイニングチェアとかみたいな椅子を作りたいなと思いました。
家の中心に入れる存在になれて家族の団欒の中心に欠かせない存在でいられたらmushcoのビジョンとかにもマッチするのではないかなと思います。
他の理由としては大学時代に木材を使ってダイニングチェアを作るという課題をやったから今度はmushcoでマッシュルームスキンを使ったものが作れたらなって。
アートとしても、存在感のある特徴的なものができる可能性が十分にあると思っているので、これからも楽しみです。
——いろんな経験が繋がっていくといいですね。楽しみです。
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以上がmushcoのデザイナー・安藤泉氏のインタビュー内容でした。マッシュルームスキン(マッシュルームレザー)とデザインに対する想いや今後の想いについて語っていただきました。
ものづくりやデザインの細部までとことんこだわる彼女のセンスによってmushcoは形作られています。
そんな彼女によってmushcoは今後どのような発展を遂げるのか。
彼女のますますの活躍とmushcoの成長を今後もお楽しみください。