チームmushcoの声vol.1 | 代表 日野嘉彦

チームmushcoの声vol.1 | 代表 日野嘉彦

2023年12月。ブランドローンチから早くも半年が経ち、第一弾の名刺入れのクラウドファンディングが成功し、ECサイトも徐々に整ってきました。

mushcoの個性につながるスタッフの思いや振り返り、今後の展望などを対談形式で深掘りしていく企画。第1回は、mushcoの代表である日野に、改めてブランドの誕生秘話や半年間の振り返りについて話を聞きました。


*日野は2023年、起業家シリコンバレー派遣プログラム「始動 Next Innovator」に参加。このプログラムは「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」の一環として、次世代のイノベーションの担い手を育成することを目的としています。日野はこのプログラムを通じてマッシュルームレザーに出会い、2023年12月にmushcoを設立。

 

#目次

1. マッシュルームスキン(マッシュルームレザー)との出会い
2. ブランドへのモチベーション
3. mushcoで実現するウェルビーイング
4. mushcoでの気づき
5. mushcoの課題

 

1. マッシュルームスキン(マッシュルームレザー)との出会い

 

—改めてマッシュルームスキン(マッシュルームレザー)を見つけたきっかけはなんですか。

 

日野 : 経済産業省のスタートアップ支援プログラム「始動 Next Innovator」に参加していた時のことです。もともときのこを軸に何か事業をやりたいと考えていました。海外のきのこ関連事業の事例を見ていたので、マッシュルームスキン(マッシュルームレザー)の存在自体は知っていましたが、日本で初めて大量生産を始めるというニュースを見て改めて興味を持ちました。


実は、「始動」の同期から「きのこの話をしている時が一番キラキラしている」と言われたことがきっかけで、きのこ関連の事業を真剩に考え始めました。マッシュルームレザーについて調べていると、ちょうど日本の会社でマッシュルームスキン(マッシュルームレザー)の製造を開始する、という記事を見つけたんです。

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—マッシュルームスキン(マッシュルームレザー)を見つけてから可能性をすぐに感じた?


日野 :いえ正直、最初は単純に自分が触ってみたいという好奇心からでした。実際に数枚購入して触ってみて、このレザーを使った商品開発ができたらいいなと思いました。SNSで10人ほどの作家さんにDMを送り、名刺入れの製作に協力してくれる人を探しました。

そしたらたまたま協力してくれる方が見つかって...事業として本格的に取り組むことを決めたのは「始動」のプログラムが終わってからです。


—今はもう前職も退職して、mushcoを主軸で動いていますがいけるなと思ったタイミングはありましたか。


日野 :特に「いける」と思ったタイミングはなく、むしろ「やらざるを得ない」と感じました。

「始動」の最終登壇で名刺入れとマッシュルームスキン(マッシュルームレザー)の可能性をプレゼンしたところ、同期の10名ほどが購入を申し出てくれました。決して安くない価格にもかかわらず、10個ほど用意してお金を受け取った時は本当に身が引き締まる思いでした。

新素材で耐久性も未知数な領域だったため、単に商品への対価というだけでなく、未来への期待も込められた金額だと強く感じました。その期待に応えなければならないという思いで、ずっと取り組んできました。

半年経った今、少しずつですが、その期待に近づいているような気がします。クラウドファンディングでも購入者が現れ、ランダムで唯一無二の柄が受け入れられるか不安でしたが、実際にはさまざまな方に購入いただいています。

このコンセプトや柄の打ち出し方で進めていいという確信が持て始めています。今後は商品ラインナップを増やしたり、価格をより手頃にする改善を行うことで、マッシュルームレザーの普及がさらに進むのではないかと考えています。

現時点では、ブランドの方向性がかなり定まってきたという感覚があります。

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2. ブランドへの原動力

 

—進めていく中で、起業や全くの事例のない新規事業ならではの困難や課題がある中で、現在のモチベーションの源はどこに?

 

日野 :事業を進めていく中で、私たちの目的がだんだん明確になってきました。mushcoのミッションは「サステナビリティとウェルビーイングを両輪で実現する」ことです。

具体的には、サステナブルな素材を軸に地球環境への貢献を目指しています。同時に、一つとして同じ柄がない製品を通じて、持ち主の個性を尊重するというブランドメッセージを発信しています。これらを通じて、人々のウェルビーイングの実現につなげていきたいという強い思いがあります。

今はこのミッションを実現することが、私の主要なモチベーションの一つになっています。

さらに、事業を進める中で、多くの方々に支えられていることを実感しています。チームメンバーはもちろん、初期に製品を購入してくださった方々、常に応援の声をかけてくださる周囲の方々など、本当に多くの支援をいただいています。

こうした方々への恩返しをしたいという思いが日に日に強くなっています。このミッションの実現と、支援してくださる方々への恩返しが、今の自分のモチベーションになっているかなって思ってます。

 

3. mushcoで実現するウェルビーイング

 

—mushcoで実現するウェルビーイングとは、具体的にどのようなもの?


日野 :mushcoが目指すウェルビーイングの一つの形は、「一つとして同じ柄がない」という製品特徴を通じて、持ち主の個性を尊重することです。

これまでの社会では、比較的画一的な価値観が求められる傾向がありました。しかし、これからの時代はより個人の創造性が重視されていくと思っています。背景としてはAIの発展やSNSの急速な普及があるかと思います。

これからの時代は自分ならではの個性や強みを出していける人が生きやすさを実感していくんだろうなって。

だから、mushcoは個人の創造性を後押しし、支援する役割を担いたいと考えています。

具体的には、一点物の柄を持つ製品を通じて、個人の独自性や個性を称揚し、それぞれの創造性を引き出すきっかけを提供します。これが、mushcoが考えるウェルビーイングの一つの形です。


—商品を持つことで、その買った人の自信につながってその人が生活しやすくなる、それは心の面で生活しやすくなることを目指すということ?


日野 :そうだね。あとは単純に事業として会社として関わってくれた人自身が少しでもいい気持ちになってくれたらなっていうふうに思ってて。例えば俺としてはこのブランドにかかわってくれるメンバーについては、自分の強みをしっかり発揮できるか、ってのを大事にしたい。そうやって自分の強みを理解してパフォーマンスを発揮するっていうことは、自分の生きやすさとかにもつながってくると思うから、mushcoに関わってくれた人がそのような経験をしてもらえたらいいなって。

あとはサステナブルな素材っていうのを持ち歩いてるっていう、地球環境に少しでもいいものを持ち歩くっていうことも自分自身の自己肯定感を感じることにつながるということもあると思う。


—今後、購入者に対してmushcoが期待することはある?


日野 :私たちは、単に「サステナブルだから購入する」ということは期待していません。むしろ、デザイン性に優れ、機能も良く、様々な商品と比較した上で、「せっかくだからサステナブルな方を選ぼう」と思っていただけるのが理想だと考えています。

「サステナブルだから買ってください」といった自己中心的な主張を押し付けるつもりは全く無くて。私たちは、デザイン性や機能性を最大の強みとした商品作りとブランド展開を第一に考えています。その上で、サステナブルであることの価値を伝えていきたいと思っています。

例えば、名刺入れは改良を重ねてきました。私自身も日々使い続けていますが、本当にお気に入りの商品になっています。周りの人にも自信を持って強くおすすめできるレベルになっていると感じています。

だから、ぜひ自分だけのオリジナル柄であることや柔らかい質感を体験してもらえたら嬉しいなって思ってます。

サステナビリティを付加価値として提供しつつ、本質的な製品の魅力で選んでいただけるようなブランドになることが目標です。

 

 

4. mushcoでの気づき

—mushcoをブランドとしてやる前と始めてから気がついたことや変わった考え方はありますか?


日野 :それで言うと、ほんと全く想定通りに物事は進まなくて計画も何一つ実現してないなって笑

体調崩して全然進められなくなったりだとかそれで実績も追いついてなくて、当初の計画通りに行ってないなって。

少しはスムーズにいくかなって思ってたんだけどね。

ただ今は、理想とする未来に全く辿り着けて無くてもどかしさはあるけど、それでもしっかり腰を据えて今出来ることを日々やって人生かけて少しづつ前に進めて行こうって気持ちになってるかな。


—ブランド領域ならではの難しさもある?


日野 :すごいあるよ笑これ、儲けたいだけだったら絶対やらないなって事業領域だなって笑

それで難しさと直面するたびに儲けたいだけでやってるわけではないな、って。それで自分軸でしっかりやっていこうって感覚はあるしそこは変わらないんだろうなって。

しっかりそこをやり遂げていきたいって覚悟の気持ちは日々強くなってる感覚かな


—改めてモチベーションはどこにあると思う?


日野 :モチベーションって感覚は本当にないんだよね。やらないといけないから

やってるなって。

ただやってく中で思うようになったのは、マッシュルームスキン(マッシュルームレザー)に特化したブランドとしての使命や役割があるなって。


—具体的にどういうこと?


日野 :大手の海外のブランドとかもヴィーガンレザーを採用した商品開発をしたりしてるけど、正直既に既存の素材の商品で一定の売り上げ基盤があるなかでどうしてもすぐにヴィーガンレザーやサステナブル素材を強く押し出していく、って言うのは経済合理的になりづらいなって。


だからそういう大手のブランドとかがサステナブルな素材を部分的に採用するだけではなかなか市場に浸透していきづらいんだろうなって。

そういう中でmushcoはマッシュルームスキン(マッシュルームレザー)に特化したブランドとして、しっかり価値観を届けて人々の行動変容に働きかけたりそれによって社会を一歩進めたりする使命があるなって。


—そういった他の誰もやってないことをやるのが日野さんにとって原動力でモチベーションなのかもね


日野 :確かに、自分は他の人がやってないことをやるのが好きだったりする。そういう意味ではこのマッシュルームレザーのジャンルってのはまだまだやられてないことが多いから、それが自分が日々楽しみながら行動し続けられてる理由かも。


—このマッシュルームスキン(マッシュルームレザー)というジャンルはそういったまだない新しいものに関わりつづけられるのが面白いところだと思う。


日野 :そうだね、そこは変わらないと思う。これからも新しいことに挑戦し続け、mushcoの価値観を届けていきたいです。

 

5. mushcoの課題


—今後のmushcoの課題としては何を考えていますか


日野 :ブランドとしての最大の課題は、安定した売上の確保です。マッシュルームスキン(マッシュルームレザー)はまだ認知度の低いジャンルで、まだまだ知ってもらえてないなって。一方で、私たち自身も資金繰りに余裕があるわけではないので、かなり緊張感のある状態が続いています。

同時に、より多くの人に製品を手に取ってもらえるよう、新商品開発も進めていく必要があります。そのため、新製品が完成するたびに、mushcoを応援してくれている方々にモニターとして試用していただくなどの取り組みも計画しています。

現在は原価の問題から商品価格が若干高めになっていますが、それでもmushcoに興味を持ち、応援してくださる方々との強い絆を築いていきたいと考えています。

そのためには、多くの方々と一緒にmushcoを育てていくという気持ちを共有し、応援していただけるよう、誠実に努力を重ねていく必要があります。常にブランドの現状を透明性を持って伝えていくことも大切だと考えています。

こういった感じで、ジャンル自体の認知度の向上、新商品開発、ファンとの関係構築、そして資金管理のバランスを取りながら、ブランドを成長させていくことが課題かなって思ってます。


—すごい大変そうですね。


日野 :普通はそう見えるよね笑でもやっぱり最初に自分のことやmushcoを応援してくれた人たちがいて始まってるから自然と1人って感じはしないし別に苦じゃないかな。

多分他の人がやったら大変だと思うけど、自分はこの状況を結構楽しんでるよ笑

ジャンルとかビジョンとか向かってる未来が自分に合ってるからね。


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以上がmushco代表・日野氏のインタビュー内容です。ブランドの誕生秘話や半年間の振り返り、そして今後の展望について、熱い思いを語っていただきました。mushcoが目指すサステナビリティとウェルビーイングの実現に向けて、今後の活躍が楽しみです。

今後、他のメンバーのインタビュー記事も順次公開していく予定ですので、ぜひ楽しみにしていてください! 

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